2012年7月14日土曜日

フエ旅行②(フォンニャ洞窟、DMZツアー)


フエ2日目はベトナム6つの世界遺産のうちの一つ、フォンニャ洞窟ツアーに、3日目はDMZと呼ばれる地域への1日ツアーに参加した。

フォンニャ洞窟とはフエから北に210kmのところにある大小300程ある鍾乳洞のうちの一つで、2003年に世界遺産に登録されている。洞窟は2億5千万年前にできたと言われており、世界でも有数の美しい洞窟として評価されているらしい。

ツアーはフエから片道約4時間のバス移動、朝6時に宿を出発し、帰ってきたのは夜の8時前。30USD、昼食込み。
参加者は10人ほどだったが、うち7人がベトナム人、2人がオーストラリア人の老夫婦+筆者という構成。フォンニャ洞窟内の観光客の半数以上はベトナム人だったと思われ、こんなにベトナム人旅行客の観光地も珍しい。現地人にも人気の観光スポットのようだ。そして時期的なものもあると思うが、日本人と思われる人は一人も見かけなかった。

洞窟まではボートで移動、岩山の中を流れる川を進んでいくと、そこがフォンニャ洞窟である。


一番奥まで行くと歩いて見れるスペースがある。中は割と広く見応えがある。

ただこの色とりどりのライトアップは・・・
せっかくの神秘的な雰囲気がもったいない感じ。
ただベトナム人に言わせると、このライトアップがBeautifulらしい。

この洞窟はベトナム戦争時に武器庫として使用されていたらしい。戦争時の被害は見たところなさそうだったが、こんなところにまでベトナム戦争との関連があるようだ。

壮大な洞窟は確かに見応えはある。また潮の満ち引きに寄っては中に入れない為、観光可能な時期が限られるという希少性もポイントが高い。ただフエから片道4時間かけて行くとなるとそれなりに思い切りが必要、時間に余裕がなければ正直お勧めはしない。ベトナムには6つしか世界遺産が無いので、少し余裕があればそれを制覇するつもりで来るのであればおもしろいかもしれない。


翌日はDMZツアーに参加。
DMZとはDeMilitarized Zoneの略で、非武装地帯。ベトナム戦争時に南北が分断されていた17度線に沿った地域のこと。このあたりはベトナム戦争に関する跡地が点在しており、それを巡るツアー。
各所で他の観光客に出くわすことはあまり無かったが、ツアーに参加していた30人ほどのメンバーのうち、アジア人は筆者1名でほとんどが欧米人。欧米人はこういう軍事ものが好きらしい・・・(?)尚、中部で見かける観光客は欧米人が大変目立っていた気がする。ベトナムを訪れる観光客数は、1位中国、2位韓国、3位日本なのだが、地域によって多少傾向があるのかもしれない。
こちらも朝6時にバスで出発し、帰ってきたのは夕方5時過ぎ。180.000VND(約720円)。

個人的には、先日の戦争証跡博物館以来ベトナム戦争フリークだったので大変興味深かったのだが、興味がない人にとってはかなり退屈なツアーであると思われる。あと、ツアーのガイドさんの英語が(発音がうま過ぎて?)とても聞き取りづらく、恥ずかしながら詳しく理解できなかったのが残念。やはり語学は一生勉強だ。

写真を中心に紹介。

まずは当時戦闘機の飛行場として使用されていた場所に。現在は小さい博物館が建てられており、当時使われていた軍事用品や戦車などが展示。


ツアー一番の見所であるビンモックトンネル。こちらは戦闘用につくられた有名なクチトンネルと異なり、人々が生活する為につくられたもので、なんと地下3階建てが手作業でつくられたとのこと。戦闘が激しいときは、中でしばらく生活をしていたらしい。爆撃を避ける為に上空の戦闘機から見えづらい入り口のつくりになっている。

中にはお産をする部屋まであった。


戦争で被害にあった人たちのお墓。

しかし、ほとんどの墓が「Chua Biet Ten(氏名不明)」

ダグロン橋。戦争中に使用されたものは既に建て直され、現在は新しくなっている。

DMZツアーは以上。

フエには結局3泊滞在し、4日目の午後にホイアンに移動した為、4日目の午前中は初日に見れなかったスポットを見に行った。

フエ市場。すぐ隣に大型スーパーが立っていたが、市場はそれなりに活気があるように見えた(写真撮り忘れ、市場周辺の様子です)。

少し話がそれるが、ベトナム政府は建物が老朽化した市場を取り壊し、大型スーパーやコンビニへの転換を図っていく方針との記事を先日見かけた。こうやって近代化が図られていくんだと短絡的に考えていたのだが、大学の先生と話をしたところ、市場では地方の人たちがつくったものを直接売りに来ることができるが、スーパーになってしまうとそれを売る環境がなくなってしまうことになる、とのこと。一時的にはそれらの商品はスーパーが買い手になりうるだろうが、大型スーパーに見られるような合理主義が推し進められることで、行く行くは行き場がなくなっていくであろうことは十分に考えられる。
少し観点は違うが、日本でも大型スーパーや百貨店ができることで元々あった個人商店街がシャッター通りになってしまった、という事例は散見されており、まさに個人商店を営む義父を持つ身としては複雑な心境でもある。近代化、合理化は進められて然るべきとは思うが、影では経済発展の負の影響を受けている人がいることを忘れてはならない。良い仕事とは、ってやつですかね。

さて、市場のすぐ裏でみかけたちょっとおもしろい美容院街の写真。
わかりづらいが、美容院が約30件ほどほぼ同じような店構えで並んでいる。



ツアーのバスからも、日用品街と呼ぶのだろうか、洗剤やシャンプーなどが全く同じディスプレイで7,8件並んでいる店を見かけたことがある。日本では考えられないような光景だ。
因みにこちらがツアーで立ち寄った観光地の入り口付近。
ジュースを売る屋台が等間隔に7,8件並んでいた。。。これを見るだけでも改善、発展の余地が大いにあることが伺えてしまう。。。

最後にフエで食べた食事に就いて、フエはシジミが良くとれるらしく、シジミを使った料理でも有名である。
コムヘンと言うしじみご飯は、ご飯にたっぷりの香草としじみ汁をかけて食べるもので、すごくくせがあったがやみつきになりそうな味。しかも値段が6.000VND(約24円)



またバインカインというこちらも米粉でつくられた太麺の食べ物も、スープの味付けはシジミでさっぱりとしたうどんのような感じ。たしか60円くらい。

もう一つ、フエには恵まれない子供の自立をサポートする日本の援助団体が経営する「子供の家」というお店がある。
ここでは恵まれないベトナム人の子供自身が日本料理をつくり提供、配膳し、その売り上げが彼らの生活費になる。ベトナムに来てから一人で日本食を食べに行ったことは無いのだが、最近少しボランティアに興味を持ち始めており立ち寄ってみることにした。接客は完全に日本語で、これまでに会ったどのベトナム人の日本語よりも確りとした発音、ベトナムとは思えないような丁寧な接客にかなり驚いた。味も本格的で、なにより壁一面に東日本大震災で被災した人たちへのメッセージが書かれている模造紙が貼られており、こういうところからも支援の声が送られているんだなぁと食事を取りながら色々と考えさせられた。

以上がフエの4日間。たった4日間で超私見ではあるがフエの総括をすると、ホーチミン、ハノイを除いた観光地として最も知名度が高いであろうこの街は、正直見るところはかなり限られており、それなりに期待していただけにフエという街だけを見るとちょっと裏切られた印象だ。
フエは車も少なく、バイクや自転車が街中の主要な交通手段である。バイクタクシーも少なく観光客の移動手段の一部は未だにホーチミンでは見かけることが少なくなったシクロ(三輪自転車の前方に椅子が付いているやつ)であったり、また高い建物もほとんどない。ベトナムの近代化がまだ進んでいないこの街が、訪れた当初は非常に新鮮に感じたが、観光地としてある雑貨屋やアオザイ、お土産物屋はどれもホーチミンにあるようなものばかりであった為、あまり変わり映えしない印象を持ってしまったのかもしれない。
逆に、ホーチミンのようなある程度近代化されているところではなく、もっと「べトナムっぽい」ところという意味では雰囲気は十分味わえると思う。また中部各所への交通も充実しており空港からも近い、観光客が多数滞在する安宿街みたいなものも密集しているため、中部旅行の拠点としては重宝できそう。



明日は少し南下してホイアンに移動。

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