2012年6月4日月曜日

ベトナム語勉強法①


現在の滞在先は日本のテレビは入らないので、サッカーの代表戦観戦は諦めていたが、帰ってきてESPNをまわしたら、なんと日本オマーン戦がやっているではないか!しかも生中継!ESPNって世界共通だと思ってたら国ごとに流してる番組が違うらしく、ベトナムでは日本戦がやっていたようだ。残念、最後の10分しか見れなかった。いずれにせよ良かった!(ちなみにベトナムは第2ラウンドで敗退済み)

さて、こちらに来てから二週間が経過した。
これまでは決まった予定は午前中の授業しかなく、午後の授業はこちらに来てから確定しようと思っていたのだが、色々あって思ったよりもその手配に時間を要した為に、出国前の怒濤の日々が嘘のように、かなり自由な時間を過ごしてきた二週間だった。おかげで体調も崩すこと無く、色々手間取った初期準備も概ね完了。来週から午後の授業も始まり住居もべトナム人の大家が住むところに部屋を構えることになりそうで、まさに文字通り朝から晩までベトナム語漬けの日々が始まる。
(4日以内に定住地に住まなきゃ行けないという社内規定を大幅にオーバーしてしまい、東京からどう思われているかちょっと心配・・・汗)

さて、ベトナム語を日本に居るときに70時間、こちらに来てから2週間勉強し終えたところで、自分なりにこれからどうやって勉強していこうか、今考えていることを書いておこうと思う。こういう風に勉強するのがいい!みたいな偉そうなことはまだ書けないが、1年という限られた期間の中でできる限り語学力をアップできるよう、ある程度計画的に勉強していきたいと思っている。ネットでもベトナム語の勉強法、みたいなことを書いているサイトは英語などに比べると圧倒的に少ないので、ベトナム語学習者にとっても参考になれば。


まずそもそもベトナム語ってどんな言語なのか。おそらくほとんどの日本人はどんな言葉なのか知らないと思うし、自分も今回ベトナムに来ることになるまで全く知らなかったので、簡単に特徴を整理しておく。孫氏の兵法、ではないがまずは相手を知っておこう。

【歴史】
言葉の起源はオーストロアジア語と言って、まぁ東南アジアによく話されていた言葉が、長い中国の支配の歴史の中で漢字表記に変化し、さらにその後のフランス植民地時代に無理矢理アルファベットにさせられて今に至る、という感じ。こんなところにもベトナムの歴史を表わす特徴が垣間見える。
【文字】
アルファベットがベースだが、英語のa〜zの26文字に対しベトナム語は多少の増減があり29文字。母音がやっかいで、日本語で言う「あ〜お」の5種類が、ベトナムでは12種類(a、ă、ơ、â、e、ê、i、y、o、ô、u、ư)もある。さらにさらにやっかいなことに、声調という中国語の四声で有名な音の高低がベトナム語には六声あり、それが文字の一部として表記される(ベトナム南部は五声)。つまり12種類の母音に対し、六声が掛け合わされ、なんと72種類の母音が表現されると言える(正確には母音によっては発声されない声調もあるので、いくらか少なくはなる)。
【文法】
文法に関しては、あくまで今までの勉強で把握してるベースにおいてはかなり単純。構成は英語に似ているが、単語の語末変化は無く語順の入れ替わりも極めて限定的。過去や未来を表す時制の変化が無く「過去か未来かは文脈から察しろ」という大胆な言葉。英語のように三人称の変化も無ければ、疑問文で語順を入れ替えたりということも無い。スペイン語やドイツ語にあるような男性、女性という変化も無く、ここまで学習した限りではかなりわかりやすい言葉のように思える。
【単語】
単語は、同じ文字の並びでも声調により全く意味が変わる。また日本人にはなじみのない12個の母音が話をややこしくするのだが、例えば同じboという単語、日本語で書くと「ボー」でしかないのだが、ベトナム語では
bò:牛
bó:束
bỏ:捨てる
bõ:~する価値がある
bọ:虫
bô:老人
bồ:親友, 恋人
bố:父
bổ:補う
bộ:格好
bơ:バター
bờ:あぜ道
bớ:わめく
bở:朽ちた, 壊れやすい
bợ:持ち上げる
というこれだけの意味がある。なので、その単語を覚える際にはどの母音を使っているかと、どの声調で発音するかを同時に覚えないと全く違う意味の文章になってしまうという難しさがある。
【発音】
これは単語の難しさと同じことだが、母音や声調によってやはり全く違う言葉になってしまう。この「bo」の例に留まらず、全ての単語(英語的な文字列)において同じように複数の意味を持つため、正確に発音をしないと全く伝わらない。この二週間毎日のように発していた「お会計お願いします」の「tình tiền」という言葉でさえ、恥ずかしながらようやくジェスチャー無しでスムーズに伝わるポイントがわかってきた、という状況。
【北部、中部、南部の違い】
ベトナムは地理的に縦に長い国だが、夫々の地域で発音が大きく異なり、また一部単語も違う表現をする(文法は一緒)。若者同士では話は伝わるらしいが、年配になると会話ができないとか。自分もまだ2週間そこそこながら、意味が分からなくても北部と南部の発音の違いがなんとなくわかるくらい大きな違いがある。

まぁつまり、一言で言えば文法はわりかし簡単だが、発音が非常に難しい、単語が覚えづらい、と言ったところだろうか。ベトナム語は比較的難しい言葉と言われているようだが、ベースはアルファベットだし、ロシア語やアラビア語のようにまずその文字自体を覚えるところから始める言葉に比べればなじみやすいとは思う。また中国語の影響を受けていることもあり、例えば日本語の「注意」という言葉はベトナム語で「chú ý」と書くように、同じような読みをする言葉もある。そういう意味でも、日本人からしたらそんなにむちゃくちゃ難しい言葉ではないのではないかとも思うようにしている。(いや、そう信じたい・・・)

と、本題の勉強法に入る前の前段がずいぶん長くなってしまったが、もう少し、勉強法の前に、これまでの2週間やってきたTry & Errorを後世(?)の為に書いておくと、

①単語がむちゃくちゃ覚えづらいので、まずはこの単語の攻略から始めてやろう!(日本で、ベトナム語基本単語帳なるものを買ってきていたので、それを始めてみた)毎日20単語ずつ覚えれば、半年で3600単語覚えられる。これは「千野 栄一著/外国語上達法」にも書いてあったが、たいていの言葉の文章は3000単語で90%が記載されており、つまり3000単語を覚えればたいていの言葉の文章の90%は理解できる、とのこと。まぁ半年でそこまでいければまずまずだろう。
【結果】1日で断念。。。ただでさえ毎日の授業で初対面の単語が何十個も出てくるのに、文脈も無く、しかもあんなに覚えづらい単語を毎日20個覚えても、次の日にはほとんど忘れてしまう。まぁこれは自分の記憶力に問題があるという噂もあるが。。。まずは授業で使った単語やテキストにある単語を着実に覚えて行くことに専念することにした。(時を追うごとに新出単語も減ってくると思われるので、それまでは封印しておく)
②授業で多少しゃべれるようになっても、いざ文献を読み出した瞬間にむちゃくちゃ時間がかかるようだと仕事で苦労しそうなので、文章を読むことに慣れておく必要がある。手始めに新聞と小学校一年生の国語の教科書を買い、辞書を引きながら毎日少しずつ読む習慣をつけよう。語彙を増やす手助けにもなるだろう。
【結果】小学校一年生の教科書、1ページ目終了時点で断念。。。まずわからない単語が多過ぎて1ページ読むのに95%くらい単語をひいてる始末。しかも自分の手持ちの文法が足りていないのか、各単語の日本語訳を並べても全く文章が意味不明。もう少し理解できる文章じゃないと、逆に効率が悪すぎる。

とまぁ勉強の仕方、というよりもまずそこに行くまでの超初級レベルを脱していない、ということだけがわかった(笑)
他にも色々試してみたのはあったのだが、いずれにせよどうあがいてもこの単語と発音を攻略しないことにはベトナム語のマスターは見えてこないため、まずしばらくは大学の授業と並行し、ベトナム語攻略のポイントとなると思われる単語と発音を中心に自己学習をしていこうと思う。
結局、英語のときも苦労した(今でも苦労している)「リスニング」と「単語の暗記」という点にやはり悩まされてる現状、ベトナム語の特徴というより、筆者の外国語学習における苦手ポイントの克服方法、を整理しているような気になってきた・・・(汗)


と、書いている間にずいぶん長くなってしまったので、こんなタイトルを書いておきながらなんと勉強法に入る前に今回はここでお開き(笑)
ということでこの投稿は①にしておきます。②をお楽しみに。



2 件のコメント:

  1. 大変参考になりました。1日20個は最初からChallengingな感じ。

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  2. コメントありがとうございます。午後の授業が始まったら、一気にキャパオーバーな感じです。。

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